・高山病はどうして危ないの?
・高山病の予防や対策はできるの?
・高山病になりやすい人はどうしたらいいの?
という悩みに答えます。
高山病への予防方法と対策は以下の5つです。
- 標高が高い環境に身体を慣らす(ゆっくり数日滞在)
- こまめな水分補給(一気飲みはNG)
- 深呼吸(意識的に、身体へ酸素を取り込む)
- 観光の前日に十分な睡眠を取る(寝不足は高山病リスク高)
- 脂っこい食べ物と満腹を避ける(酸欠だと消化する能力が低下)
高山病は急に標高の高い場所に行き、身体が順応できずに引き起こされ、最悪の場合、命の危険があります。
作業療法士として約7年間総合病院に勤務した医学的な知識と、ボリビアとペルーのアンデス山脈の高山地帯(標高約3000m〜5000m)を3ヶ月以上旅した実体験をもとに、急性高山病の原因と具体的な予防方法・対策についてご紹介します!
▼誰もが知るペルーの世界遺産マチュピチュに、徒歩で行ってきました!
急性高山病とは
急性高山病とは、普段標高が低い地域で生活している人が、急に標高の高い場所(酸素が薄く、気圧が低い環境)に行き、身体が順応できないために引き起こされる病態のこと。
一般的に標高2500mくらいから発症しやすい(人によっては1500mほどでも発症する)と言われます。
症状は軽症だと、頭痛、疲労、吐き気、食欲不振などの症状がみられ、重症になるにつれて息切れ、錯乱、昏睡などの症状が現れ、最悪の場合、命の危険がある軽視できない症候群です。
目の前の素晴らしい景色を安全に楽しむために、しっかりと高山病への予防・対策をすることをおすすめします。
南米旅行は高山病になりやすい?
はじめに紹介した通り、アンデス山脈を観光すれば標高の問題は付きもの。
主要な場所の標高は以下の通りです。
- マチュピチュ遺跡(標高2430m)
- クスコの街(標高3400m)
- ラパスの街(標高3625m)
- ウユニ塩湖(標高3656m)
- チチカカ湖(標高3890m)
- ラパス空港(標高4062m)
- レインボーマウンテン(標高5100m)
- ※日本の富士山(3776m)
日本人に人気のウユニ塩湖が標高3656m(富士山の9号目以上)、レインボーマウンテンは標高5100mと、富士山の山頂よりも遥かに高いため急性高山病を患う可能性が非常に高くなります。
▼実際に参加したのウユニ塩湖ツアーの詳細は、こちらの記事にまとめています。
▼実際のレインボーマウンテンツアーの詳細は、こちらの記事にまとめています。
高山病の具体的な予防と対策
高山病の具体的な予防と対策は、以下の4つがあります。
- 標高が高い環境に身体を慣らす
- 水分補給
- 深呼吸
- 睡眠
標高が高い環境に身体を慣らす
急性高山病は、急に標高が高い所へ行くことで身体が順応できずに発症します。
私たちもボリビアのラパス(標高3700mの街)に初めて着いた時、息が苦しくて数日間眠れませんでした。
標高の高い所に身体が慣れるまでには時間がかかります。
高山病の対策として観光ツアーなどに参加する前に、ある程度標高が高い町で数日滞在して身体を慣らすのがおすすめです。
こまめに水分補給をする
適切に水分を摂らないことで身体が脱水状態になると、水分を身体の中に溜め込もうとする(おしっこが出なくなる)ホルモンが出て、顔や手足がむくんできます。
その水分が肺に溜まると呼吸ができなくなり、脳に溜まると頭痛や意識が無くなったり重篤な症状がでます。
高山病を予防するためにも、登山中はこまめに水分補給をしましょう。(喉が乾き切ってから一気飲みはNG)
一般的に、体重60kgの方であれば1時間あたり300ml(5ml/kg/hr)の水が必要と言われています。
レインボーマウンテンのツアーに当てはめると、片道1時間半から2時間程度歩くため、体重60kgの方なら往復で900mlから1200ml程度の水が必要になります。
意識的に深呼吸をする
身体(例えば脳や筋肉など)にとって、酸素は大切なエネルギーの一つです。
標高5000mの場所では、海抜0mに比べて酸素を身体に取り込む能力が半分ほどまで低くなります。
酸素が足りなくなると様々な不調(例:頭痛、だるさ、唇が紫色になるなど)が出てきます。
高山病予防のために、意識的に深呼吸を行い、身体にしっかりと酸素を取り入れましょう。
観光の前日はしっかりと睡眠をとる
睡眠不足や疲れが溜まった状態は高山病を発症しやすいと言われています。
短期滞在の旅行では観光したい場所が多く、睡眠時間を削りがちです。
高山病を防ぐために観光の前日はしっかりと睡眠を取って、身体を休ませてあげましょう。
ただし、「標高が高い場所に来てすぐ」や「既に高山病の症状が出ている」場合は睡眠が逆効果になるので注意しましょう。
睡眠によって呼吸が浅くなり、さらに身体が酸欠になる危険があります。
消化不良の原因と食事方法
標高が高い場所では消化不良を起こしやすいと言われるため、「脂っこい食べ物や満腹を避ける」ことが大切です。
理由は大きく以下の2つです。
- 胃や腸も酸欠になる
- 胃や腸などがおやすみモードになる
▼海外旅行中の自炊については以下の記事に詳しく書いています。
胃や腸が酸欠になる
標高が高い場所は酸素が薄く、高地に慣れていない場合は身体が酸欠状態になります。
身体が酸欠状態だと、脳や筋肉だけでなく内臓も酸素が足りなくなります。
内臓は酸素を取り込んでエネルギーにします。
そのため、消化器(胃や腸など)が本来の消化能力を発揮できなくなり、消化不良を起こしやすくなります。
胃や腸がおやすみモードになる
自律神経とは、内臓や代謝・体温といった身体の機能を調節(無意識で)する神経のこと。
身体を(心や心臓、筋肉など)活発にする「交感神経」と、それらを休ませて消化を促す「副交感神経」がシーソーのようにバランスを取ることで私たちの身体を支えています。
身体が酸欠状態になると、全身に酸素を行き渡らせるために交感神経が優位になり心臓や筋肉などが頑張れる分、消化器(胃や腸など)がおやすみモードになります。
消化不良を予防する食事
上記の2つの理由から、消化器(胃や腸など)の酸欠状態に加えておやすみモードになるため、消化不良を起こしやすくなります。
実際に僕もボリビアのラパス(標高3625m)に着いた時、しばらく下痢に悩まされました。
しかしアンデスの高山地帯を旅行すると、どうしても揚げ物の料理に出会う機会が多いです。
満腹を避けつつスープや煮込み料理などの、消化に良い食べ物を意識的に取り入れることで、消化器への負担を減らすことをおすすめします。
▼馴染みのある日本食は体調を整えるのにもぴったりですよ。
【まとめ】高山病を予防して旅行を楽しもう!
高山病は急に標高の高い場所に行き、身体が順応できずに引き起こされ、最悪の場合、命の危険があります。
高山病への予防方法と対策は以下の5つです。
- 標高が高い環境に身体を慣らす(ゆっくり数日滞在)
- こまめな水分補給(一気飲みはNG)
- 深呼吸(意識的に身体へ酸素を取り込む)
- 観光の前日に十分な睡眠を取る(寝不足は高山病リスク高)
- 脂っこい食べ物と満腹を避ける(酸欠だと消化する能力が低下)
作業療法士の医学的な知識と、アンデス山脈の高山地帯を3ヶ月以上旅した実体験をもとに、急性高山病の原因と予防・対策についてご紹介しました。
高山病への理解と対策をして、日本では見ることができない海外の景色を楽しみましょう。
この記事が旅に興味のある方や、旅人の皆さんのお役に少しでも立てれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
海外での病気に備える
高山病に限らず、海外では慣れない環境や食事などで、体調を崩す可能性が十分にあります。
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